賃貸契約書なくした時の対処法と退去費用の話

賃貸契約書なくした時の対処法と退去費用の話

賃貸契約書をなくしてしまった…。そんな時に不安になるのが退去時のトラブルや原状回復の費用負担です。特にフローリングの傷がある場合、「いくら請求されるのか」「誰が直すのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、国土交通省が定める原状回復ガイドラインをもとに、わかりやすく解説。賃貸契約書をなくしたときの対応や、フローリングの修繕費について具体的にまとめました。

目次

賃貸契約書をなくしたらどうなる?

契約書をなくしてしまっても、契約そのものが無効になるわけではありません。契約書はあくまでも「何を取り決めたか」を確認するための書類。管理会社や大家さんにも同じ内容の書類が保管されています。とはいえ、契約更新や退去時のやり取り、トラブルの解決には契約書の内容確認が必要になるため、できる限り早くコピーを手に入れておきましょう。

契約書が必要な場面とは?

たとえば以下のような状況で契約書が役立ちます:

契約期間や更新料の確認

原状回復の費用負担の範囲確認

ペットの飼育や楽器の使用ルール

解約予告期間や違約金の確認

契約書がないと、言った・言わないの水掛け論になることも。何らかのトラブルが発生する前に、内容を把握しておくことが重要です。

契約書の再発行はできるのか

契約書の再発行はできるのか

原則として、賃貸契約書の原本の再発行はできません。しかし、管理会社や不動産会社に問い合わせれば「コピーをもらう」ことは可能です。多くの不動産業者は契約書を5年間保管する義務がありますので、入居後5年以内であれば対応してもらえるはずです。

国土交通省ガイドラインとは?

原状回復をめぐるトラブルを防ぐため、国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公開しています。このガイドラインは法律ではありませんが、裁判所も判断基準の一つとして参考にする重要な指針です。

原状回復とは何を意味するのか?

原状回復とは何を意味するのか?

「原状回復」とは、入居前の状態に戻すこと…ではありません。実際には「借主が原因で劣化・損傷させた部分のみ」戻せば良いとされています。経年劣化や通常使用による傷・汚れは大家側の負担とされるのが原則です。

フローリングの傷は誰の責任?

フローリングの傷について、以下のように分類されます:

貸主負担(経年劣化)

家具を設置したことによる凹み

日光による色あせ

入居時からあった傷

借主負担(過失や不注意)

物を落としたことでできた傷

ペットのひっかき傷

キャスター付きの椅子でつけた擦り傷

飲み物をこぼして放置し、シミになった場合

修繕費用はどのように決まる?

修繕費用はどのように決まる?

傷の程度や位置によって、以下の対応になります:

部分補修が可能な場合:借主が全額負担

全面張替えが必要な場合:経年劣化を考慮した負担割合で計算

修繕の際は「美観の統一」のために全面張替えになることも多く、費用も高くなりがちです。

費用負担の計算方法と目安

フローリングの修繕費用の目安:

広さ 費用(目安)
4.5畳 約8万~11万円
6畳 約12万~16万円
8畳 約15万~22万円

全面張替えの場合、築年数(耐用年数)をもとに、次のような計算がされます:

計算例:

修繕費用:150,000円

建物耐用年数:27年(軽量鉄骨)

入居年数:4年

借主負担:150,000 × (23/27) ≒ 127,778円

火災保険が使えるケースもある

火災保険が使えるケースもある

フローリングの損傷でも、火災保険の「借家人賠償責任特約」で補償される場合があります。

対象になる例:

子どもが物を投げて傷がついた

物を落として床をへこませた

家具の移動中に引っかき傷ができた

一方で、ペットの傷やタバコによる焦げ跡は対象外となるケースが多いです。

入居時・退去時のチェックポイント

入居時:

傷・汚れの写真を撮影して保管

チェックシートに記録し、管理会社へ提出

退去時:

原状回復範囲を確認

契約書に従って費用負担を精算

費用明細を求めて確認する

フローリングの傷を防ぐ習慣とは?

フローリングの傷を防ぐ習慣とは?

以下の習慣を身につけることで、将来的な負担を大きく減らせます。

チェアマットの使用(キャスター付き椅子用)

家具の脚にフェルトカバーを装着

カーペットやラグで床を保護

重い家具の下に敷板を使用

飲み物をこぼしたらすぐ拭き取る

ペットの爪はこまめにカット

契約書を安全に保管する方法

クリアファイルに入れて保管

契約書だけを別フォルダに分けて保存

コピーを取り、クラウドにも保存

万が一に備えて、不動産会社の連絡先も控えておく

万が一のときに相談すべき相手

管理会社や大家さん

消費生活センター(全国に相談窓口あり)

地方自治体の住宅相談窓口

不動産協会(例:全国宅地建物取引業協会)

相談の際は、できるだけ詳細な状況説明と記録(写真や書類)を準備しておくとスムーズです。

まとめ:知識でトラブルを回避

賃貸契約書をなくしても、すぐに慌てる必要はありません。重要なのは、契約内容を把握しておくこと。そして、国土交通省のガイドラインを理解しておくことで、不当な請求に冷静に対応できます。

フローリングの傷についても、誰の責任か、どこまでの費用が妥当かを正しく理解しておけば、退去時のトラブルは大幅に減らせます。
契約書の管理と日頃のメンテナンス、そして万が一の備えを大切にしてください。

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